言葉が立ち上がるまえに・小林一毅作品集
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小林一毅さんによる初の作品集。
抽象的な作品群を子供のように無垢な心でなぞることで、一毅さんと作品のあいだにある息遣いに触れてみてください。
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南方書局
『言葉が立ち上がるまえに』 小林一毅作品集
『大切なのは目が捉えた瞬間に迫ること。
対象物に言葉が追いつく寸前、
この瞬間が唯一、子どもと石との関係性に近いのではないか』
グラフィックデザイナー・小林一毅さん初の作品集。
約9ヶ月で描きおろした、全 591 枚におよぶ“言葉が立ち上がるまえ”の形。
作品の繊細な息遣いを感じることのできるほぼ原寸で、完全掲載。
ふとした時に、自分の意思とは別に目が独りでに拾ってくるものがある。
「あっ」と声をあげ、忍ばせた紙切れとペンを急いで取り出す。
その場で簡単に描いたメモを頼りに家に帰ったら線を引く。
うまく言葉にできないものだから「なんか...」「こんな...」と呟きながら、
すでに消えつつある光景に触れるようにして形として立ち上げる。
目は何を求めていたのか、描くことで言葉に近づけると思って描き始めたが、
ある時、言葉に立ち上がることを拒まれている気がして描くのをやめた。
形だけがここに積み上がっている。
小林一毅さん(こばやし・いっき)
グラフィックデザイナー。
女子美術大学、多摩美術大学非常勤講師。
このたび南方書局では、グラフィックデザイナー・小林一毅の作品集を刊行いたします。
本書は、2023年9月〜2024年5月までの約9ヶ月で制作された全591枚の作品をまとめた作品集となります。
ポストカードサイズの作品群は(ほぼ)原寸大で掲載されており、小林の手によって描かれた線のゆらぎ、繊細なニュアンスや痕跡までを見てとることができます。
制作のきっかけは、小林が子どもとの時間を過ごす中で感じた、『自分が感じる“良い石”と、子どもの感じる“良い石”の違いとはなんだろう?』という問いでした。
ツルツルしている、綺麗な形、輝いている...など、“良い石”とされる条件や常識を私たちは教育されてしまっているけれど、子どもの目はそうした常識を学ぶ前の視点で石に触れているのではないか...。
そう考えた小林は『大切なのは目が捉えた瞬間に迫ること。
対象物に言葉が追いつく寸前、この瞬間が唯一、子どもと石との関係性に近いのではないか。』という仮説のもとに、日々の生活の中で目が捉えたものをメモし、ポストカードサイズの紙に自らの手で描き出していくことで、グラフィックデザイナーとして「形」と向き合う自身の潜在的な、 形の嗜好性に向き合い追究しました。
日々、無意識のうちに見ている無数の「形」たちを良い/悪い、好き/嫌いと判断する「言葉が立ち上がるまえ」に、私達の体の中で一体何が起きているのか?
解説テキストも無くひたすらに作品=形が続く、まさに本がまるごと「立ち上がるまえ」となっている本書。
ブックデザイン・構成は、小林とは大学時代からの付き合いの明津設計が担当。
収められた莫大な量の一見単純な形からは、その単純さゆえに形の根本に近づいていく体験を得られるような本になっています。