亀の尾4号・5kg
¥5,800
なら 手数料無料で月々¥1,930から
斎藤農場/秋田県大潟村
自然栽培
西の「旭」、東の「亀の尾」は東西横綱と称され、おいしいお米のルーツとなっているのがこの2品種。
現在ごはん用のお米として栽培されている品種は約300種と言われていますが、東日本での系譜を辿ると必ず行き着くお米が「亀の尾」です。
「亀の尾」にはいもち病に弱いという欠点があり、それを補うため、純系分離を経て作られたのがこの「亀の尾4号」。
とはいえ栽培は難しく、ある農家さんは“作る”という表現でなく“挑戦する”という言葉を選ぶほど。
漫画「夏子の酒」のモデルにもなっている、お酒造りに適したお米ですが、ごはんとしても美味!
しっかりとした大粒で歯応えがよく、さっぱりとしていながら甘味、風味を兼ね備えた味わい。
冷めてもとても美味しく食べられるので、おむすびにもお勧めです!
※玄米、五分、七分、白米からご希望を承ることができますが、精米を行うと1〜2割ほど減量いたします。
また、精米による削れ方は品種や時期による水分量などに左右されてしまうため、均一な仕上がりにはなりません。
こだわりをお持ちの方は玄米でお求めいただき、ご自宅での精米をお勧めいたします。
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以下、齋藤さん訪問記です。
長いですが是非読んでみてくださいね。読めば一層味わい深くなるはずです。
秋田県大潟村。「元」湖で「現」村。
国営事業によって誕生したこの村は、八郎潟という外周八二キロメートルにも及ぶ巨大な湖でした。
「主要食料である米の増産」という目的のもと一九五七年に干拓工事が始まり、七年の歳月を費やし、湖に大地が浮かび上がった。
見渡す限りの田園風景、どこまでも伸びる真っすぐな一本道。
そこはまるで日本ではない異国の景色。
豊かで住みよい、近代的な農村社会をつくるという目的で発展してきた大潟村では、慣行栽培、有機栽培、自然栽培、様々なお米が作られています。
ミコト屋でも人気の「ササニシキ」の生産者である齋藤一樹さんも、この地でお米作りに励む農家さんの1人。
がっしりと締まったスポーツマンのような体格にヒゲと柄モノの派手なシャツ。
そして風貌とは対照的な柔らかな物腰と穏やかな口調。
それが齋藤ダンディズム、とにかく素敵な農家さんなんです。
齋藤さんが子供の頃、ご両親が大規模農業に夢を馳せこの地に入植。
当時この地で農業を始めるには、一億五千万円もの借り入れをしなければ始められない。
それほど大規模な農業だったそうです。
関西でバーテンや料理人など飲食関係の仕事をされていた齋藤さんでしたが、お父様の病気で一時的に大潟村に帰ってきた際、とあるプロジェクトの一環で600人もの村人を写真に収めた。
その中で、写真を介して村の人とコミニュケーションをとるうちに、次第にこの地で営農しようと心がかたまったといいます。
現在、9haもの面積で自然栽培に取り組む齋藤さんのお米作りには、様々なこだわりが詰まっています。
4000枚の苗箱には、屑米を田んぼで採った稲麹から培養した種で麹にして、稲藁と合わせ、麹菌発酵、納豆菌発酵、乳酸発酵という段階を経てゆっくり分解させた手作りの育苗用土を使います。
除草においても、初めは乗用の除草機で入り、次は手押しの除草機、そして最後は手で除草。人の手が触れることで稲がピンと立つといいます。
これだけの大規模栽培にも関わらず、必ず全ての稲株に人の手が触れることを大事にされています。
齋藤さんは、自然栽培に出会った頃、「これしか無い!」と、他のことを置いて夢中になったそうです。
自然栽培以外を認めないことで、他の農家さんとぶつかることもあったそうです。
しかしそうやって家族や地域との関係をないがしろにした結果、色んなことが思うようにいかなくなり、これじゃダメだと思いを改めたそうです。
齋藤さんは言います、「例えばゴミ捨てだったり、田んぼの草取りだったり、日常のやらなければいけない細かな営みがきちんとできないければ、大きなことなんか出来ない」
「結局、日常の生活、日ごとの生活にどれだけ心を込められるか、家族や仲間とどれだけ良い時間が過ごせるか。それにつきる」と。
僕たちが大好きな齋藤さんのお米。
あの身体に馴染むような優しい美味しさは、この心がけや人柄から映し出されるものなのだろう。
僕たちが大潟村を訪ねたその日、齋藤家の食卓には、オクラ、ナス、カボチャ、人参、梨瓜、スイカ、豆、お米、自分たちの田畑で穫れたものが奥様の手料理となってズラリと並んでいた。
愛犬のアントニオ・カルロス・ジョビン。そして愛して止まない田んぼ。齋藤さんが大切にしているものが、そこにある。
やはり美味しいものは、作り手の幸せから生まれるのだ。